企画展示「参宮みやげ」の解説を行いました。
伊勢音頭の一節に「伊勢に行きたい、伊勢路が見たい、せめて一生に一度でも」とあります。伊勢神宮の参拝が目的であることは言うまでもありませんが、「伊勢路が見たい」の言葉には、参宮街道で伊勢の人々による歓待を受けたい、おもてなしされたいという気持ちが盛り込まれています。伊勢路・参宮街道での伊勢の人々による「おもてなし」が全国からの参拝者にとっては「みやげ」でした。展示されている「参宮みやげ」は、参拝者と伊勢で出迎えた人々を結びつけるものです。
「参宮みやげ」展示資料は、江戸末期から昭和28年までのものです。これらは生活用品や参宮の記念に持ち帰って、日々の生活の中で使われて愛蔵品や愛用品として残ったものです。お茶やお酒を飲む時、お菓子を食べる時、これら「参宮みやげ」を使うことで、即時に参宮旅行の思い出がよみがって「みやげ話」になり、伊勢参宮の記憶を留めるものになっています。
参宮の際、持ち帰られる、または近縁の方に贈られる「参宮みやげ」の参考になればと思います。
次回の展示解説は11月9日(土)午前10時30分からです。