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Channel: 式年遷宮記念 せんぐう館
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小手毬(こでまり)が咲き始めました

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4月24日、まがたま池の歩道脇に小手毬が咲いていました。

小さな手毬のように見えることが名前の由来です。 別名は「鈴掛」(すずかけ)。
小手毬は中国原産。江戸時代には渡来・帰化して庭木・生花・茶花として親しまれ馴染みになりました。

小手毬は正保2年(1645)刊行の俳諧書:松江重頼編『毛吹草』(けふきぐさ)に春の詞として「小てまり」と紹介され、図としては万治3年(1660)、美濃国加納において狩野重賢が写生して『草木写生』に「小毬花」を描かれたのが初めになります。別名の「鈴掛」(すずかけ)は天和4年(1684)刊行の華道書:尋旧子(木屋権左衛門)編『立華正道集』にその名が見られます。

参考:磯野直秀「狩野重賢画『草木写生』」(『慶應義塾大学日吉紀要』・自然科学№36、平成16年)

せんぐう館では式年遷宮のまつりと捧げられる御装束神宝・御正殿によせられる素材と技術の展示をしています。

それら式年遷宮に捧げられるものには弥生から明治にかけてヨーロッパ・西アジア・東南アジア・東アジアを経てもたらされた道具・技術・文様などが入っています。しかしながら、その道具や技法・文様などは20年に一度巡ってくる祭の為、国内で材料を栽培して採られるように工夫し、日本人が文様をデザインして組み入れ、日本人の使い勝手がよい道具へ改めて使うようになっています。

まがたま池の小手毬は中国原産で、江戸時代に渡来して生花や庭木にと親しまれる花となりました。参拝の後に入館される皆様には、せんぐう館の個々の展示資料を見て渡来時期を知って、日本で採用された後に、日本人の手によって、どれだけ綺麗に・美しく・より良いものにして、祭において神々に捧げられているかを見ていただくと、神宮参拝もより面白くなるのではないかと、小手毬の花を見てそう思いました。


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